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開発者の7割が週8時間以上失っている!? AI時代の開発者体験最新レポート2024徹底解説
~AI時代、「週8時間以上」の損失を生む開発現場の課題と、年間700万円のコスト削減を実現する解決策とは?~
ソフトウェア開発を取り巻く環境は、マイクロサービス化やAIの台頭により、かつてないほど複雑化しています。開発者には、コーディング以外にも、セキュリティ対策やクラウド設定など、幅広い業務が求められ、その負担は増加する一方です。
しかし、AtlassianとDX社が共同で行った世界2,100人以上の開発者とマネージャーを対象とした最新の調査では、開発者の約7割(69%)が、業務の非効率性によって、週に8時間以上もの時間を失っているという衝撃的な結果が出ています。これは、開発者一人あたり年間約700万円、500人の開発チームであれば年間35億円もの損失を意味し、組織の競争力を著しく低下させる要因となっています。
なぜ、開発者体験(DevEx)が重要なのか?
開発者体験(DevEx)とは、開発者が日々の業務の中で感じる、あらゆる体験を指します。優れたDevExは、開発者の生産性や満足度を高め、ひいては企業の競争力強化に繋がります。
- DevEx向上によるメリット
- 開発スピードの向上による、早期市場投入
- イノベーションの創出
- エンゲージメント・モチベーションの向上による、離職率の低下
- 採用競争力強化
逆に、DevExが低い状態が続くと、開発者のモチベーション低下や離職、開発スピードの低下、品質低下など、様々な問題を引き起こす可能性があります。 実際に、開発者の63%が、DevExは転職するかどうかを決める際に「重要」もしくは「非常に重要」な要素であると回答しています。
最新調査結果が明らかにした、開発者体験の現状と課題
AtlassianとDX社の調査では、多くの開発者が、以下のような課題を抱えていることが明らかになりました。
- 技術的負債: レガシーシステムや古いコードベースの存在が、開発速度を低下させている。
- 非効率なドキュメント: 情報が不足していたり、最新情報が反映されていなかったりするドキュメントは、開発者の負担を増大させている。
- 煩雑なビルドプロセス: 自動化が進んでおらず、手作業が多いビルドプロセスは、開発者の時間を奪い、ストレスを増大させている。
- 集中できる時間の不足: 会議や割り込みの多さによって、集中して開発に取り組む時間が確保できない。
- 明確な指示・方向性の不足: 何をすべきか、どのような優先順位で取り組むべきかが曖昧なために、開発が滞ってしまう。
これらの課題は、開発者の生産性と満足度を低下させるだけでなく、企業にとっても大きな損失をもたらします。 驚くべきことに、リーダーの99%が開発者の役割は複雑化していると認識しているにも関わらず、開発者のわずか44%しか、リーダーがこれらの課題を認識していると思っていないという現状があります。
AI時代における、開発者体験向上のための3つの鍵
AIは、開発者体験を向上させるための強力なツールとなります。しかし、AIを導入すればすべてが解決するわけではありません。重要なのは、開発者のニーズを理解し、適切なツールとプロセスを組み合わせることです。 調査によると、リーダーの37%がAIの活用は、開発者の生産性と満足度を向上させる効果的な方法であると考えています。
DX社によると、ポジティブな開発者体験には、以下の3つの要素が不可欠です。
- 継続的な改善を可能にするフィードバックループ
- 定期的なチーム振り返り
- Jira などのプロジェクト管理ツールによる可視化
- Atlassian Compass などの開発者体験プラットフォームの活用
- 適切に管理された認知負荷
- GitHub Copilot などのコード生成ツール
- AIを活用したインシデント対応
- Atlassian Rovo などのAI検索ツール
- AIによるドキュメント自動生成
- フロー状態を維持できる環境
- 会議のない日の設定
- 集中時間確保のためのツール導入
- プラットフォームエンジニアリングチームによる開発者支援
Atlassianが実践する「開発者の満足度」を高める取り組み事例
Atlassianでは、「開発者の満足度」を全社的な目標として掲げ、開発者体験の向上に取り組んでいます。その結果、開発者の満足度は大きく向上し、74%に達しました。
Atlassianの取り組み事例
- プラットフォームエンジニアリングチームの設置
- 定期的な開発者向けアンケートの実施
- 最新技術やツールの導入
- ワークライフバランスの重視
Atlassianの事例は、経営層がDevEx向上にコミットし、継続的に投資していくことの重要性を示しています。 実際に、76%もの組織が、来年は開発者体験への投資を増やす予定であると回答しています。
まとめ:開発者体験は組織の競争力を左右する
AI時代において、優秀な開発者を惹きつけ、その能力を最大限に引き出すためには、組織全体で開発者体験を重視していく必要があります。開発者体験向上は、短期的な視点ではなく、長期的な視点に立った戦略的な投資として捉えるべきです。
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