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大企業の85%が導入!あなたの会社に「開発者体験」専任担当者はいますか?

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「優秀なエンジニアを採用できない」「開発スピードが遅く、市場変化に対応できない」 こういった悩みを抱えている経営層のあなたは、危険信号を見過ごしているかもしれません。

世界中の企業が頭を悩ませる、ソフトウェアエンジニア不足問題。この課題を解決する鍵として、近年、開発者の働きやすさを追求する 「開発者体験(DevEx)」 という言葉が注目を集めています。

ガートナーが2022年から2024年にかけて、北米、EMEA、アジア太平洋地域の売上高10億ドル以上の企業のITリーダー498人を対象に行った調査によると、回答者の95%が、すでに開発者体験の向上に取り組んでおり、さらに85%の組織が、開発者体験の向上を担う専任の担当者またはチームを設置 していることが分かりました。

Organizations’ Approaches to Managing the Developer Experience

つまり、すでに多くの企業、特に大企業では、開発者体験を経営戦略上の重要課題と捉え、組織的に取り組んでいる のです。

もし、御社がまだ具体的な施策を打てていないのであれば、早急に対応を検討する必要があるでしょう。 そうでなければ、優秀なエンジニアを獲得・定着させることは難しく、ビジネスの成長にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

「開発者体験? そんなものにコストをかける余裕はない」

そう思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。本記事では、なぜ開発者体験が、エンジニアだけでなく、 経営層にとっても重要であるのか 、そして、具体的にどのような取り組みを行うべきなのかを、成功事例を交えながら解説していきます。

なぜ、開発者体験が重要なのか?

現代社会において、ソフトウェアはビジネスの成功を左右する、必要不可欠な要素となっています。しかし、そのソフトウェア開発を担う、優秀なエンジニアの確保は年々難しくなっており、多くの組織が頭を悩ませています。

熾烈なエンジニア獲得競争を勝ち抜くためには、給与や福利厚生などの待遇面だけでなく、彼らが「働きがいを感じられる」「成長を実感できる」「この会社で開発したい」と感じる環境を提供すること が重要です。

開発者体験を軽視すると、以下のようなリスクが考えられます。

  • 採用活動の難航: 優秀なエンジニアは、開発者体験を重視して企業を選ぶため、魅力的な求人を行っても応募が集まらない。
  • 従業員エンゲージメント・定着率の低下: モチベーションが低い開発者が増え、離職率が高くなる。結果として、採用・トレーニングコストが増加し、生産性も低下する。
  • 開発スピードの低下: 開発環境やプロセスが悪いため、開発スピードが遅くなり、市場の変化に対応できない。
  • 製品・サービスの品質低下: 開発者のモチベーションが低い状態での開発は、バグの発生やセキュリティリスクの増加に繋がりかねない。

反対に、開発者体験を向上させることで、以下のような メリット を享受できます。

  • 採用活動の成功: 開発者体験を向上させることは、企業のブランディングに繋がり、優秀なエンジニアの獲得に有利になる。
  • 従業員エンゲージメント・定着率向上: 働きがいのある環境を作ることで、開発者のモチベーションとエンゲージメントが向上し、定着率が高くなる。
  • 開発スピードの向上: 最新のツールや開発手法を導入することで、開発の効率化とスピードアップを実現できる。
  • 製品・サービスの品質向上: 開発者が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を作ることで、高品質な製品・サービスを開発できる。
  • イノベーションの促進: 開発者が新しい技術やアイデアに挑戦しやすい環境を作ることで、イノベーションが生まれやすくなる。

Measures Used to Assess Developer Experience

このように、開発者体験は、 企業の競争力を左右する重要な要素 であり、経営層が率先して取り組むべき課題なのです。

開発者体験を向上させるための3つの柱と具体的な施策

では、具体的にどのような取り組みを行えば、開発者体験を向上させることができるのでしょうか?

ガートナーの調査では、開発者体験向上の取り組みとして、以下の3つのカテゴリーが挙げられています。

  1. 業務効率化: 開発者がスムーズかつ効率的に開発業務を進められる環境を提供すること。
    • 最新技術の導入: 最新の開発ツール、プラットフォーム、ローコード/ノーコード開発環境を積極的に導入・評価する。
    • 開発プロセス・インフラの改善: CI/CDツールなどを活用した開発プロセスやワークフローの標準化・自動化を進める。クラウドサービスなど、開発に最適なインフラを整備する。
    • 情報共有の促進: チーム内外の情報共有やコミュニケーションを促進するコラボレーションツールを導入する。開発に必要な情報へアクセスしやすいナレッジベースの構築、ドキュメント整備を行う。開発者向けポータル(Developer Portal)の構築によるセルフサービス化を進める。
  2. 専門能力開発: 開発者が自身のスキルやキャリアを向上させられる機会を提供すること。
    • 学習機会の提供: 最新技術や開発手法に関するトレーニングや研修を充実させる(オンライン学習プラットフォームの活用など)。資格取得の支援制度を設ける(受験費用負担、資格取得報奨金など)。
    • 成長機会の提供: 社内勉強会やワークショップ、ハッカソンを定期的に開催する。社外カンファレンスやイベントへの参加費用の補助、登壇の奨励を行う。新しい役割やプロジェクトに挑戦する機会を提供し、社内公募制度を整備する。
  3. 支援的な文化: 開発者が安心して最大限のパフォーマンスを発揮できるような文化を醸成すること。
    • 自律性と柔軟性の尊重: リモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方を許容し、開発者の自律性を尊重する。
    • 公正な評価と報酬: 開発者の成果に対して正当な評価と報酬を与える(成果主義の導入、評価制度の見直しなど)。
    • 多様性と包容性: 多様性と包容性を重視した組織文化を築く(ダイバーシティ&インクルージョン推進)。
    • 心理的安全性の確保: 誰もが安心して意見やアイデアを発言できる環境を作る(1on1ミーティングの実施、フィードバックの推奨など)。

Developer Experience Focus Areas

注目すべきは、すでに開発者体験プログラムを導入し、成果を上げている組織では、上記3つのカテゴリー全てに取り組んでいるケースが多いという点です。

つまり、開発者体験を向上させるためには、単に開発環境を整えるだけでなく、開発者が成長できる環境や、安心して仕事に取り組める文化を包括的に整備すること が重要なのです。

開発者体験向上のための第一歩を

「開発者体験の向上」は、もはや一部の先進的な企業だけのものではありません。

企業の競争力を左右する、経営戦略上の重要課題 として、捉える必要があります。

まずは、御社の開発者体験が現状どのような状態なのかを把握することから始めましょう。そして、本記事で紹介した内容を参考に、具体的な施策を検討してみてください。

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参考資料: