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61%の企業が導入済み!?もはや他人事じゃない!進化するサイバー攻撃から会社を守る「ゼロトラストセキュリティ」完全ガイド

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2024年、大手出版社のKADOKAWA、JAXA、NTTデータのグループ会社などが、相次いでランサムウェア攻撃と思われる被害を受けました。高度化・巧妙化するサイバー攻撃に加え、データ漏洩事件も増加の一途をたどっています。

Identity Theft Resource Centerの分析によると、2022年に米国で報告されたデータ漏洩事件は1,800件を超え、その被害者は4億2200万人を超えています。 もはや従来型のセキュリティ対策が通用しない時代。そこで、世界中の企業が導入を急いでいるのが 「ゼロトラストセキュリティ」 です。

Oktaが発表した最新の調査レポート「ゼロトラストセキュリティの現状2023」によると、なんと ゼロトラストの 取り組みをすでに実施しているか、近く開始予定である組織の割合は、全体として96% であることが明らかになりました。

ゼロトラストセキュリティの実施状況(2023年)

一体なぜ、ゼロトラストがここまで注目されているのでしょうか?

ゼロトラストとは? - もう「壁」があっても安心できない時代に

VPN等の従来のセキュリティ対策は、城壁で守られた城のように、外部からの侵入を防ぐことに重点を置いていました。しかし、リモートワークの普及やクラウドサービスの利用など、働く場所やデバイスが多様化した現代では、この「城壁」の内外があいまいになり、境界線での防御が困難になっています。 そこで登場したのが 「ゼロトラスト」 という考え方です。 ゼロトラストとは、社内ネットワークに接続している人やデバイスであっても、 「常に検証し、決して信用しない」 という原則に基づき、アクセス制限を行うセキュリティ対策です。 具体的には、以下のような対策が挙げられます。

  • 多要素認証(MFA): パスワードだけでなく、スマートフォンアプリや生体認証などを組み合わせることで、不正アクセスの防止を強化します。
  • アクセス権限の最小化: 従業員一人ひとりに、必要な情報やシステムへのアクセス権だけを付与します。
  • デバイスのセキュリティ強化: 社員が使用するパソコンやスマートフォンなどのセキュリティ対策を徹底します。
  • ログの監視と分析: アクセスログを監視し、不正アクセスの兆候をいち早く発見します。

企業のゼロトラスト導入状況 - Okta最新レポートが示すもの

Oktaが発表した最新の調査レポート「ゼロトラストセキュリティの現状2023」は、世界中の企業がゼロトラストにどのように取り組んでいるのかを明らかにしています。

レポートで明らかになった主なトレンドは以下の通りです。

  1. ゼロトラストセキュリティ導入が世界的に加速: 2021年には24%だった導入率が、2023年には61%と、わずか2年間で2.5倍以上に増加しました。
  2. アイデンティティが最重要防衛線に: アクセスしてくる相手が「誰」であるのかを常に確認することが、ゼロトラストの核となる考え方です。
  3. セキュリティ対策予算は増加傾向: 企業はセキュリティの重要性を強く認識しており、積極的に投資を行っています。
  4. モバイルデバイス管理の重要性が高まる: スマートフォンやタブレット端末など、社外で利用されるデバイスが増加する中、これらのデバイスに対するセキュリティ対策も必須となっています。
  5. 人材不足やコストが導入の障壁に: 専門知識を持つ人材の不足や導入コストなどが、ゼロトラスト導入の障壁となっています。

ゼロトラスト導入を段階的に解説 - あなたの会社はどのステージ?

ゼロトラストセキュリティは、一朝一夕に実現できるものではありません。Oktaのレポートでは、企業の成熟度に合わせて導入の進捗度を、ワークフォースアイデンティティ成熟モデルとして4つのステージに分類しています。

ステージ1:基本 - 集約と簡素化

  • 特徴: 手作業によるセキュリティ管理からの脱却を目指します。
  • 具体的な取り組み:
    • 複数のID/パスワードを一つに統合するシングルサインオン(SSO)の導入
    • パスワード認証に加え、スマートフォンアプリなどで承認を行う多要素認証(MFA)の導入
  • ポイント: セキュリティ対策の基礎を築き、運用管理の負担を軽減することが重要です。

ステージ2:拡張 - セキュリティコントロールの階層化

  • 特徴: より強固なセキュリティ対策を講じ、リスクへの対応力を高めます。
  • 具体的な取り組み:
    • クラウドとオンプレミスのアプリケーションにまたがるセキュリティとアクセス制御の集約
    • ロールベースのアクセス制御と動的アクセスポリシーの導入
  • ポイント: リスクに応じて適切なセキュリティレベルを設定し、多層的な防御体制を構築することが重要です。

ステージ3:先進的 - エクスペリエンスの自動化と向上

  • 特徴: セキュリティ対策の自動化を進め、運用効率を大幅に向上させます。
  • 具体的な取り組み:
    • ユーザーの行動を監視し、不正なアクセスを自動的に検知・遮断するシステムの導入
    • セキュリティ対策に関する情報を一元的に管理・分析するツールの導入
  • ポイント: 自動化と分析機能を活用することで、より効率的かつ効果的なセキュリティ対策を実現できます。

ステージ4:戦略的 - アイデンティティの最適化と拡張

  • 特徴: ゼロトラストセキュリティをビジネス戦略に統合し、企業全体のセキュリティレベルを最大限に引き上げます。
  • 具体的な取り組み:
    • FIDO2やPasskeyなどのパスワードレス認証の全面的な導入
    • インシデントの予防/検知/対応プロセスの完全な自動化
  • ポイント: ゼロトラストを単なるITシステムの問題ではなく、企業文化として根付かせることが重要です。

ゼロトラストで、本当に会社は守れるのか?

ゼロトラストは、決して万能なセキュリティ対策ではありません。しかし、適切に導入・運用することで、サイバー攻撃のリスクを大幅に低減し、企業の重要な情報資産を守ることができます。

ゼロトラスト導入のメリット

  • セキュリティリスクの低減: 多層的なセキュリティ対策を講じることで、サイバー攻撃による被害を最小限に抑えることができます。
  • コンプライアンス強化: データへのアクセスを厳密に制御することで、データ漏洩や不正アクセスのリスクを低減できます。これは、医療情報などの機密性の高い情報を扱う業界にとって特に重要です。
  • ビジネスの成長促進: セキュリティのためにビジネスプロセスを犠牲にする必要がなくなり、新しいテクノロジーやサービスを迅速かつ安全に導入できます。
  • ブランドイメージの維持: セキュリティ事故によるブランドイメージの低下を防ぐことができます。

いますぐできる、ゼロトラストセキュリティ対策

  1. 現状分析: まずは、自社のセキュリティ対策の現状を分析し、課題を明確にしましょう。
  2. 段階的な導入: ゼロトラストは、すべての対策を一度に導入する必要はありません。まずは重要なシステムから、段階的に導入していくことをおすすめします。
  3. 専門家の活用: 専門知識を持つセキュリティベンダーやコンサルタントに相談することで、より効果的なゼロトラストセキュリティ対策を構築することができます。

まとめ

今回は、Oktaによるゼロトラストセキュリティの最新トレンドと、具体的な導入方法について解説しました。ゼロトラストセキュリティは、企業規模に関わらず、これからの時代に必要不可欠なセキュリティ対策です。この機会に、ぜひゼロトラストについて理解を深め、自社のセキュリティ対策を見直してみてはいかがでしょうか。


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参考資料: