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リモートワーク成功のカギは"知識共有"!チーム生産性を高める4つの要素とは?

新型コロナ禍を経て、多くの企業でリモートワークが定着しました。しかし、そのメリットを十分に享受できているでしょうか? 通勤ストレスからの解放、柔軟な働き方…これらはリモートワークの魅力の一部ですが、チームとしての生産性という点では、課題を感じている方も少なくないでしょう。
「顔が見えないから、誰が何を知っているのか分からない」 「ちょっとした質問がしづらい…」 「情報共有がうまくいかず、手戻りが多い」
そんな悩みを抱えるあなたへ。実は、リモートワークの成否を分けるのは、 “知識共有” の仕組みづくり。そして、それを支えるのが、 「スキル・経験」「コミュニケーション」「信頼関係」 という3つの要素です。
本記事では、Vizcaíno氏らによる研究論文「Understanding Remote Work Experience: Insights Into Well-Being」(2025年)に基づき、リモートワークにおけるチームの生産性を最大化するための4つのカギを徹底解説。具体的な対策とともに、あなたのチームを成功に導くヒントをお届けします。
なぜ知識共有?リモートワークで生産性が下がる根本原因
リモートワークで生産性が下がるのは、なぜでしょうか? その最大の原因は、情報共有の質の低下です。
オフィスにいれば、隣の席の同僚に気軽に質問したり、雑談の中からヒントを得たりできました。しかし、リモートワークでは、そうした”偶発的な知識共有”が起こりにくくなります。
- 必要な情報がどこにあるのか分からない
- 誰に聞けばいいのか分からない
- そもそも質問すること自体をためらってしまう
こうした状況が続くと、業務は停滞し、ミスも増え、チーム全体の生産性は低下してしまいます。
生産性向上のカギを握る4つの要素:最新研究が示す”意外な関係”
では、どうすればリモートワークでも高い生産性を維持できるのでしょうか? Vizcaíno氏らの研究は、以下の4つの要素が重要であることを示しています。
- スキルと経験:個人の能力は、リモート環境でより重要に
- 知識共有:チーム全体の生産性を左右する最重要ファクター
- コミュニケーション:知識共有を円滑にし、信頼関係を築く土台
- 信頼関係:心理的安全性を高め、活発な知識共有を促す
さらに、この研究で興味深いのは、これらの要素が互いに影響し合い、相乗効果を生み出すという点です。
構造方程式モデルで見る、4要素の”意外な関係”
このモデルから、以下のことが読み取れます。
- 「スキルと経験」は”諸刃の剣”!?:
- 豊富なスキルと経験は、ストレスを軽減し、モチベーションを高めます。
- しかし、それだけでは、チーム全体のパフォーマンス向上には直結しません。
- むしろ、経験豊富なメンバーが、知識を”抱え込んでしまう”リスクも…!
- 「知識共有」の成否が全てを決める:
- 知識共有がうまくいかないと、ストレスが増え、モチベーションもパフォーマンスも低下。
- リモートワークの成否は、まさに”知識共有”が握っていると言っても過言ではありません。
- 「コミュニケーション」と「信頼関係」は”車の両輪”:
- コミュニケーションは、ストレス軽減、モチベーション向上、そして知識共有の促進に貢献。
- 信頼関係も、同様にストレス軽減、モチベーション向上に効果あり。
- この2つが揃って初めて、活発な知識共有が実現し、チームのパフォーマンスが最大化されます。
リモートチームを成功に導く!今日からできる4つの対策
それでは、具体的にどのような対策を講じればよいのでしょうか? 研究結果に基づき、4つの要素それぞれについて、今日から実践できるアクションプランをご紹介します。
1. スキルと経験:リモート環境での”自走力”を育む
- オンライン学習をフル活用:
- 研修制度のオンライン化(eラーニング、ウェビナーなど)は必須。
- 自己啓発支援制度(資格取得費用の補助など)も積極的に導入しましょう。
- メンター制度を”リモート化”:
- 経験豊富なメンバーが、オンラインで若手をサポートする仕組みを。
- 定期的な1on1ミーティングで、進捗確認や相談の機会を設けましょう。
- スキルマップで”強み”を可視化:
- チームメンバーのスキル・経験を一覧化し、互いの得意分野を把握。
- プロジェクトのアサインや、困ったときの相談先選びに役立てましょう。
2. 知識共有:情報共有の”DX”を加速する
- ドキュメント化を徹底:
- 業務マニュアル、議事録、ノウハウ…あらゆる情報をデジタル化し、共有。
- 「暗黙知」を「形式知」に変えることで、属人化を防ぎ、チーム全体の底上げを図りましょう。
- FAQシステムを構築:
- よくある質問とその回答をデータベース化し、自己解決を促進。
- 質問対応の負担を減らし、コア業務に集中できる環境を整えましょう。
- 情報共有ツールを”使いこなす”:
- チャット、Wiki、ファイル共有…目的に応じて最適なツールを選択。
- 「検索しやすい」「更新しやすい」仕組みづくりが重要です。
- 「越境学習」で刺激
- チーム内で定期的な勉強会、他部署との合同勉強会などで相互に刺激しあえる機会を設ける
3. コミュニケーション:オンラインでも”雑談”を大切に
- コミュニケーションツールを”使い分ける”:
- チャット:スピーディーな情報共有、気軽な質問
- ビデオ会議:顔を見ながらの議論、1on1ミーティング
- プロジェクト管理ツール:タスクの進捗管理、情報共有
- “雑談”の場を意図的に作る:
- オンラインランチ、コーヒーブレイク、チーム懇親会…
- 業務以外のコミュニケーションが、チームの一体感を醸成します。
- 1on1ミーティングを定期開催:
- 上司と部下が1対1で、業務の悩みやキャリアについて話し合う機会を。
- リモート環境では特に、“個”に寄り添うコミュニケーションが重要です。
4. 信頼関係:心理的安全性を高める”仕掛け”
- 「ありがとう」を伝え合う:
- 些細なことでも感謝の気持ちを言葉にする。
- オンラインでも、チャットやメッセージで積極的に伝えましょう。
- チームビルディングイベント:
- オンラインゲーム大会、クイズ大会、料理教室…
- 一緒に楽しめる企画で、チームの結束力を高めましょう。
- リーダーの”率先垂範”:
- リーダーが積極的に情報発信し、メンバーの意見に耳を傾ける。
- 心理的安全性の高いチーム文化を、リーダーが率先して作りましょう。
まとめ:4つのカギで、リモートワークは”もっと強く”なれる
リモートワークは、決して”孤独な働き方”ではありません。むしろ、チームの連携を強化し、生産性を高めるチャンスです。
本記事でご紹介した4つのカギ 「スキルと経験」「知識共有」「コミュニケーション」「信頼関係」 を意識し、具体的なアクションを起こすことで、あなたのチームは、リモートワークでも”もっと強く”なれるはずです。
今日から “知識共有” を軸としたチームづくりを始めましょう!
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参考資料: