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5人に1人がRTOルールを無視?! 柔軟な働き方への渇望と企業のジレンマ:生産性向上と離職防止の鍵
企業と従業員のせめぎ合いが続く、出社とリモートワーク。Amazonの週5日オフィス勤務義務化は大きな波紋を呼びました。この現状を受け、 Resume Builder が2024年9月に実施した調査によると、週1回以上のオフィス勤務を義務付けるRTO(オフィス復帰)ポリシーを導入済みの企業で働く正社員1030人のうち、なんと5人に1人がルールを無視している実態が明らかになりました。働き方の柔軟性と企業のジレンマ、そして生産性向上と離職防止の鍵を探ります。
調査結果サマリー:RTOをめぐる5つの要点
- 従業員の20%がRTOポリシー非遵守。
- 従業員の大半は週3日以下のオフィス勤務を希望。
- 強制的なRTOポリシーは離職の引き金に?
- 68%は柔軟なスケジュールで生産性向上を確信。
- 満足な従業員はわずか3割。
図:RTOポリシーにおける企業の要求と従業員の希望の乖離
なぜRTOルールは無視されるのか? - 現状と課題
調査では、ハイブリッド勤務の従業員においてRTOポリシー非遵守の割合が高いことが判明しました。週1~3日のオフィス勤務義務でも、完全遵守はわずか61%。背景には、同僚に依頼してのタイムカード操作や早退など、様々な”抜け道”が存在する現状があります。
RTOと従業員満足度の相関関係
RTOは従業員満足度にも大きな影を落としています。現在のRTOポリシーに「非常に満足」と回答したのはわずか31%、「やや満足」を加えても65%にとどまります。一方、「どちらでもない」14%、「やや不満」13%、「非常に不満」8%と、不満を抱える層も無視できない割合です。
図:RTOポリシーに対する従業員満足度
RTOポリシー強化は離職のトリガーになりかねません。企業がコンプライアンスを厳しく取り締まり始めた場合、20%が「退職の可能性大」、33%が「やや退職の可能性あり」と回答しています。
専門家の見解:柔軟性こそ未来の鍵
Resume Builderのチーフキャリアアドバイザー、ステイシー・ハラー氏は、柔軟性の重要性を強調します。「従業員は、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を求めています。企業は、このニーズに応えなければ優秀な人材を失うリスクがあります。」
RTO成功のための施策:企業ができること
図:従業員がRTOで直面する課題
従業員がRTOで直面する課題は、通勤時間、柔軟性の欠如、通勤費用、ワークライフバランスなど多岐にわたります。企業はこれらの課題に真摯に向き合い、具体的な解決策を提示する必要があります。
図:RTOポリシー満足度向上のための施策
満足度向上の施策として、昇給だけでなく、柔軟な勤務時間、交通費補助、福利厚生、そして健康増進プログラムの提供などが有効です。
生産性への影響:オフィス vs リモート
RTOは生産性にも影響します。オフィスでの生産性について、「非常に生産的」45%、「やや生産的」44%に対し、「あまり生産的ではない」8%、「全く生産的ではない」3%という結果が出ています。 生産性低下の原因は、同僚や上司からの邪魔、騒音、通勤の疲労、集中力の欠如など。企業は、オフィス環境の改善やコミュニケーションツールの導入など、生産性向上のための具体的な対策を講じる必要があります。
RTOの未来:ハイブリッドモデルの可能性
「働き方の未来は、柔軟なハイブリッドモデル、あるいは完全リモートに移行していくでしょう。適応できない企業は、競争力を失うリスクがあります。」とハラー氏は警鐘を鳴らします。
RTOに関する課題解決、生産性向上、そして従業員満足度向上のための具体的な施策について、専門家への相談も有効です。
参考資料: