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【GitLab流】雑談でチーム力UP!リモートでも成果が出るコミュニケーション術5選
世界中に社員を抱えるIT企業GitLabは、オフィスを持たない完全リモートワークを創業当時から採用し、成功を収めている企業として知られています。 GitLabはDevOpsプラットフォームを提供しており、その生産性の高さは多くの企業にとって憧れの的ですが、オフィスがない環境でどのようにしてチームワークやコミュニケーションを育んでいるのでしょうか?
特に、リモートワークにおいて課題として挙げられることの多い 「偶発的な会話の欠如」。オフィスで働く時のように、廊下ですれ違いざまに仕事の話や雑談をする機会がないことは、リモートワークの大きなデメリットの一つとして捉えられています。
しかし、GitLabは独自の文化と仕組みによって、この課題を克服しています。GitLabは、非公式なコミュニケーションがリモートワークにおいても非常に重要であると考えています。なぜなら、非公式なコミュニケーションは、信頼関係を築き、孤独や燃え尽き症候群のリスクを軽減するからです。
今回は、GitLabが公開しているRemote Playbookや、独自の従業員ハンドブックの内容を元に、彼らが実践している「偶発的な会話を生み出す仕組み」について、メリットや導入のポイントも交えながら詳しく解説していきます。
GitLab流:偶発的な会話を生み出すための3つのステップ
GitLabは、リモートワークでも積極的なコミュニケーションを促進し、チームワークを高めるために、以下の3つのステップを実践しています。
- 「非公式コミュニケーション」を形式化する
- リモートワークでは、意識的にコミュニケーションの機会を設けない限り、仕事上のやり取り以外で社員同士が交流する機会はほとんどありません。
- GitLabでは、「インフォーマルコミュニケーション」 を重視し、社員同士が気軽に交流できる様々な取り組みを制度として導入しています。
- バーチャルな「場」を用意する
- インフォーマルコミュニケーションを促進するために、GitLabでは様々なバーチャルな「場」を用意しています。
- これらの場は、まるでオフィスの休憩室やカフェのように、気軽に立ち寄って雑談したり、他の社員と交流したりすることができます。
- 「オンライン完結」を意識したイベントやアクティビティ
- GitLabでは、チームビルディングや社員同士の交流を深めるイベントやアクティビティも積極的に開催しています。
- 重要なのは、これらのイベントがオンライン完結であること。
- これにより、世界中にいるすべての社員が、時間や場所に縛られることなく参加することができます。
上記の動画では、GitLab の共同設立者兼CEOである Sid Sijbrandij が、TechCrunchの Frederic Lardinois とリモートチームのつながりを維持する方法について語っています。
具体的な事例:GitLabで実践されているコミュニケーション施策
リモートワークでは、チームメンバーとの会話は主に仕事に関するものになりがちなので、GitLab では全員に、社内の誰とでも社交的な通話やコーヒーを飲みながらのコミュニケーションに週に数時間費やすことが奨励されています。
上記3つのステップに基づいて、GitLabで実際に導入されている具体的なコミュニケーション施策を、メリット・デメリットや導入のポイントと合わせてご紹介します。
1. 定期的な「Social Call」
- 概要: 決まった議題を設定せず、雑談をするための時間を設けています。チームや部署ごとに定期的に開催され、リラックスした雰囲気の中で自由に会話することができます。
- メリット: 普段の業務から離れ、リラックスして会話することで、社員同士の親睦を深めることができます。
- 導入のポイント:
- より多くの人が参加し、都合の良い時間に開催されるイベントを確認できるように、ソーシャルイベント用の共有カレンダーを作成することを検討してください。
- Googleドキュメントなどの共有ドキュメントを添付したカレンダーのinviteを、チームや部署のメンバーに送信します。参加を希望する人は、名前を番号順にリストに記載し、順番に話していきます。
2. 「Coffee Chat」制度
- 概要: 自分で選んだ社員と、業務以外のことを話す1対1のビデオチャットの時間です。
- メリット: 新しい社員同士の交流のきっかけづくりや、普段関わりの少ない部署の社員とのコミュニケーションにも役立ちます。
- 導入のポイント:
- 自分のグループ/立場と多少重複しているものの、定期的に交流していない人とペアを組みます。
- チームが依存関係にあるがよく知らないグループ/立場内の誰かとペアを組みます (例: カスタマーサクセス + カスタマーサポート)。
- 自分を補完してくれる人とペアを組んでください。たとえば、新人であれば、長く勤めている人を見つけてください。マーケティングに携わっている場合は、開発者とペアを組むなどです。
3. Coworking Call
- 概要: 集中して作業したい時や、誰かと一緒に作業したい時に利用できるビデオチャットです。作業中に出てきた疑問を気軽に質問したり、雑談を交えながら作業を進めることができます。
- メリット: 孤独感を解消し、集中力を維持することができます。また、他の社員の作業風景を見ることで、新たな発見や学びを得ることもできます。
- 導入のポイント:
- 作業用BGMを共有したり、バーチャル背景を設定したりすることで、よりリラックスした雰囲気で作業することができます。
- 集中しやすい時間帯や、コミュニケーションを取りたい時間帯などを事前に決めておくと良いでしょう。
4. テーマ別のチャットチャンネル
- 概要: 趣味や興味関心でつながれる、テーマ別のチャットチャンネルが多数開設されています。例えば、「#gaming」や「#music_making」など、多様なテーマのチャンネルが存在し、社員同士が共通の話題で盛り上がっています。
- メリット: 共通の趣味を持つ社員同士が繋がることで、コミュニティ意識を高めることができます。
- 導入のポイント:
- チームメンバーとゆるくつながり、仕事以外の目標に向けて協力するための優れた方法です。
5. オンラインでのチームビルディングイベント
- 概要: オンラインゲーム大会や、オンラインランチ会、バーチャルオフィスツアーなど、オンラインで楽しめるイベントを定期的に開催しています。
- メリット: チーム全体で共通の体験をすることで、一体感を高めることができます。
- 導入のポイント:
- Kahoot! のような共同クイズツールは、リモートでのチームビルディングに使用できます。Zoomでグループに分かれて、お互いを知り、質問に答えます。
- 参加者の時間帯に配慮し、可能な限り多くの社員が参加しやすい時間帯に開催することが重要です。
- イベントの内容は、社員の意見を参考にしながら決めるようにしましょう。
まとめ:リモートワークでも積極的なコミュニケーションを
GitLabの事例からわかるように、リモートワークでも工夫次第で偶発的な会話を生み出し、コミュニケーションを活性化させることは可能です。
重要なのは、ただ単にツールを導入するのではなく、「なぜそのツールを導入するのか」「そのツールを使ってどのようなコミュニケーションを生み出したいのか」という目的意識を持つことです。また、各施策の特徴を理解した上で、自社の課題や状況に合わせて適切な施策を導入していくことが重要です。
そして、GitLabが体現しているように、非公式なコミュニケーションこそが、リモートワークにおける信頼関係構築、孤独や燃え尽き症候群の防止に大きく貢献することを忘れてはいけません。
ぜひ、GitLabの取り組みを参考に、自社の課題や状況に合わせて、リモートワークにおけるコミュニケーションのあり方を見直してみてはいかがでしょうか?
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参考資料: